全国の救命救急センターに搬送される自傷・自殺未遂症例(搬送後死亡例を含む)の、基本的な医療情報を通年で収集・登録し、今後の自殺予防対策に生かすことは有用である。これまで単独の医療機関や限局した地域における自傷・自殺未遂症例を収集し分析した報告は散見されるが、全国規模の症例登録とその分析は存在しない。300か所に迫る各救命救急センターに搬送される自傷・自殺未遂症例の登録がなされ、年次ごとにその情報が積み重なることで膨大な症例データが収集される。年次変化とともにこれらを詳細に解析して自殺対策に役立てるための自傷・自殺未遂症例の登録(レジストリ)制度を構築することが本事業の目的となる。